強烈な個性を持った『ヴィットリオ・グラツィアーノ』の造るワイン達。
そんな彼の造るワインの中でも「とびきり過激」といってもよい作り方で生み出される、実験的なキュヴェ。
しっかりと熟成させてから、ヴィンテージの順番が逆になってリリースされることもあるグラツィアーノのワイン。
輸入元エヴィーノの新津さんに、「こんな事できるって、かなりの資産家だったりするの?」と聞いたところ、全然そんな事ないのだそうです。
一見立派に見えるグラツィアーノのカンティーナですが、実は2000年頃、グラツィアーノのカンティーナに泥棒が!彼のタンクや樽に入っているワインをすべて流してしまい、生産量がゼロになってしまったのだそうです。
すでにワインの評価を確立し、輸出されていたグラツィアーノでしたが、その時に取引のあった輸入元は、売るものが無いので他の生産者を探し、その後「彼らはもう戻ってきてくれなかった」という事でした。
ソルデーラでもそういった事件がありましたが、ブルネッロのような有名産地ならばまだしも、エミリア・ロマーニャの小さい造り手はだれも気にも留めてくれなかったそうです・・・。
そして彼のカンティーナは作りかけのまま。
カンティーナの周りには現在も建物に使用するはずだった煉瓦や瓦が積みあがり、そしてそれが風化。グラツィアーノはカンティーナをワイン造りには使用していますが、住むことは出来ず、いまだにほど近くにある実家に暮らしているのだそうです。
それでも、不屈の精神で妥協なくワイン造りを行うヴィットーリオ氏!
彼曰く「モデナに伝わる最古の醸造方法を元にしている」という非常に貴重な白ワインが『タルビナアーツ』!
収穫したトレッビアーノ モンタナーロを果皮と共に木樽へ、醗酵が始まると勢いで徐々に果帽(果皮や種が集まって、ワインの上にふたのように集まった状態)が出来上がるんですが、この果帽、空気に触れているところから腐敗する可能性があるので、通常であれば櫂などで突き崩すか、液循環(ルモンタージュ)するのが常識。
しかし、ヴィットーリオ、そうしたことを全くしないんです!!
上に浮き上がった果帽をそのままにしておくことで、樽の中は密閉された状態に。
酸素も非常に少なく、酵母が自由に動けない状態を維持するといいます。
結果、醗酵する速度は非常に遅くなり、「1年くらいは醗酵が続く(酵母が動いている状態)」
という、とんでもないワイン!
極めてリスキーな造りの為、2009年、2010年はこの手法では上手く行かず「タルビナアーツ」は造られていないそう・・・。
《そして今回入荷したのはヴィンテージが戻って2007年ヴィンテージ!》
自分が納得できたタイミングでリリースするという、孤高の造り手なのです。
そして、『ロッソ・サッソスクーロ』はモデナ近辺でヴィットーリオが見つけた地品種。(彼が1980年代にこの畑を手に入れた時、周囲に残っていた古いブドウ樹をすべて集め、苗木を作ったのだそうです)マルボ ジェンティーレにサラミーノ、あとは(名前が)良くわからない、というヴィットーリオ氏。
古い品種なので、完熟させるには長い時間を要する。
そして、それぞれ収穫する時期はマチマチ・・・。
そこでヴィットーリオ氏は収穫した順番に樽に加えていくという手法を採用(一つの樽の中で完成するイメージ)。
結果、一番初めに醗酵が始まってから、最後のブドウが入るまで約1か月くらいの差、さらに醗酵が終わって絞るのにも長い時間・・・。
それだけの期間、果皮と共にあるというとんでもないワインです!
そんな過激ともいえる造り方をしているにも関わらず、味わいはしっとりと落ち着き、美しく破綻のないもの。
当然、輸入量されたワインは注文が殺到!
今回もとあるレストランさんがまとめ買いに走ったそうです!!
業界の話題をさらった『サッソ・スクーロ』、そして『タルビナアーツ』!
そして定番の(といってもこちらも非常に数が少ない)、ランブルスコ、ロゼのスミルツォ、白のリーパ・デ・ソプラヴェントの最新ヴィンテージも再入荷いたしました!
これは絶対にお見逃しなく!!