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エリック・ボルドレ Eric Boldelet

ビオディナミで土地の味のするリンゴを育てる。
25種類のリンゴを一緒に発酵させることで単純になりがちなシードルに深み、骨格を与えている。ナチュラル・シードルのパイオニア。


1980 年代にアラン・パッサールの 3 ッ星グラン・メゾン「アルページュ」でソムリエを務めていたのが「エリック・ボルドレ」。
父親の体調不良もあり、かねてから興味を持っていた実家のリンゴ農園を引き継ぐことを決めた。
『アルページュで料理にワインを合わせていたが、シードルはペアリングには出てこなかった。何故か?そういうシードルが無かったからだ』
1992 年、ノルマンディ南部のドン・フロンテの実家に戻り、シードルとポワール造りを開始。醸造を学んだ経験は無く、父親と友人のワイン生産者から教えてもらいながらのスタートだった。


『友人、ディディエ・ダグノーがワインと同じようにガストロノミックなシードルが良い。ブレタンミセスの無いレストランの為のシードルを造れと言った』
当時のシードルは単純でビールの代わりに喉を潤すもの、毎日の食卓にある水と変わらない存在であったのだそう。
醸造所は 17 世紀からの歴史的建物シャトー・ド・オートヴィル。そのまわりに約 15ha の農園が広がっている。
『相続した農園に加え、放棄された古い林檎樹を買取っている。今では 25 種のリンゴと 15 種の洋ナシを栽培している』
最も古い区画の樹齢は 50 年以上。ほとんどの畑は1992 年以降に植えた、又は接木したもので、ようやく良い状態になりつつある。
『土壌は 5 億年前の先カンブリア時代に由来する古い土壌で片岩を含む沈泥土壌。葡萄栽培には向かないがリンゴには理想的』
2005 年から全ての畑はビオディナミが導入された。
ビオディナミを導入することで一時的に病気が蔓延し、生産量が減ったが、3 年かけて徐々に回復。今では健全な状態になっている。
下草は生やしっ放しで年に 2 回刈り込むだけ。農薬
は一切使用しないし、除草剤、防虫剤も一切使用し
ない。ホルモン剤も使用しない。
『所有しているリンゴは掛け合わせの品種ではなく、伝統的な古来種のみ。地品種をビオディナミでこの地域のテロワールで育てることが重要』
ワインと同じように健康でその土地の個性を反映させたリンゴを収穫することでしか本物のシードルは完成しないとの考え。
自然に従う収穫収穫は 10 月後半から 11 月。通常より遅い収穫だ
が、古来種は熟すのが遅いのと、完熟に拘るエリックならではの収穫方法に理由がある。
『自然に樹から落ちるのを待つ。落ちたリンゴを拾って収穫する。リンゴ樹が完熟を判断した時、自分でリンゴを落とす。樹が完熟を知っている』
リンゴの品種は25種あるが大きく3つのタイプに分けられる。「甘み」が特徴の品種、「酸味」が特徴の品種。そして、「苦味」が特徴の品種。
『リンゴは葡萄のように 1 品種では複雑味を作れない。3種の甘み、酸味、苦味の品種をブレンドすることでバランスする』

食用のリンゴの1/4程度の小粒なリンゴで果皮が厚く、ポリフェノールは食用品種の3倍以上。苦味系品種は食べられないほどに苦く、酸味品種も強烈なリンゴ酸を含んでいる。
『古い年代の沈泥土壌はミネラルを含み、古いリンゴ樹はミネラルを吸い上げる力が葡萄樹同様にある。シードルは骨格を得る』
エリックのシードルが飽きずに飲み続けられるのは甘みだけでない苦味、酸味、そしてミネラルが感じられるからなのではないでしょうか。

樹から自然と落ちたリンゴは下草のクッションに守られている。これを手作業で拾い集め、風通しの良い野外で3週間追熟させる。
『その後、すぐに細かく刻んでプレス。酸化が始まらないうちに密閉タンク内に置き、冷却し、デブルバージュ。その後温度を上げて自然発酵』醸造所内はステンレスタンク製タンク、圧搾機、洗浄機が並び、清潔。ブレタノミセスが少なからず存在するのがシードルだが、彼のシードルにはない。
醸造方法に秘密があるとのことだが、それは秘密。
醸造所内も撮影不可という徹底ぶり。
『発酵後期には何度かラッキングを行い、酵母の活動を鈍化させ、極々軽いフィルターにかけてボトリング。瓶内で発酵を続ける』
残った糖分と酵母の活動で2週間程度発酵が続き、優しい発泡を手に入れる。残糖は全て天然のリンゴ由来で、一切、補糖しない。
(輸入元資料より)
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