テヌーテ・グアルダソーレ Tenute Guardasole
ブーイ家がボーカの地に引っ越してきたのは1950年のことで、マルコの母方の祖父が、ボーカDOCのブドウ栽培に適した畑と小さな家を購入した。専業農家といった規模ではなく、自家消費用のワインを造るためだけの小さな畑で、「私たちの家は決して美しいとは言えなかったが、いつもよく飲んでいた!」とマルコは振り返る。農業専門学校とマーケティングの学位を取得した後、多国籍の広告代理店で働いていたが、週末には畑へと戻っては時を過ごしていた。やがてブドウ畑にもっと時間を捧げたいと思うようになり仕事を辞め、2009年にワイナリーを立ち上げる。ボーカDOCに従い、ネッビオーロとヴェスポリーナへと植え替えを行い、畑はオーガニック認証を取得。畑の総面積は2haでボーカDOCワイン生産の象徴的なルートであるストラーダ・デッラ・トラヴェルサーニャに沿って広がっている。最初の数年は、少量のブドウを実験的に醸造し畑の真のポテンシャルを理解する時間として費やし、2013VTが初リリース。 "伝統への現代的なアプローチ"をモットーとし、この地域で築かれてきたものをないがしろにすることなく、現代の技術をどのように活用するのかが肝要だと考え、2haという小さな生産規模も全生産工程において自身の手の届く範囲にとどめている。
◆ロゴとワイナリー名について マルコ所有の畑ではないが、ボーカにカッシーナ・グアルダソーレという畑がある。この畑は彼らの畑からセジエ川の下流に位置する南向きの卓越した、地域においても象徴的な畑である。 ロゴは太陽をモチーフに、グラスに注がれたワインを重ね合わせた。グラスの液面はまた水平線のようにも見え、太陽を見据える(=Guarda Sole)ような、奥行きのあるイメージ。
【畑と栽培について】
1950 年から祖父はすでにバイオロジック栽培(そんな言葉もなかっただろうが)であり、マルコにとってもバイオロジック栽培で働き手も畑も健康的であることは彼の考えるワイン造りにおいては根本的な要素である。土地、顧客、畑で働くマルコ達、彼らの子供たちを尊重するための選択であり、環境や人間の健康に害を及ぼす可能性のある殺虫剤、除草剤、肥料はせず、様々な植物の緑肥で土壌の栄養状態の管理をしている。もっとも標高の高い彼のボーカDOCが生産される畑には、1800年代にたてられた小屋があり、小屋の貯水槽にためられた雨水は農薬散布の際にも利用される。 ボーカの土壌特質は、石灰岩だけでなく火山岩を起源とする岩石の深層土にあり、表土にも赤、ピンク、オレンジの薄片状の斑岩(火成岩)により構成される。標高 4000m を越すモンテ・ローザからの北風は日中の寒暖差を生み出すが、モンテ・フェネラ(899m)麓のボーカのブドウ畑は極端な気候の変化からは守られており、ブドウを最適な成熟に導く。 2ha の自社畑からのみワインを造る彼らにとって、自社ブドウを安定的に確保することは、ワインの品質以上に生活に直結する。そのため全ての畑を防雹ネットで覆うことにした。このネットはブドウの葉を食べ光合成を阻害するコガネムシにも有用で、夏場には朝3時に起きて、網にとまっているコガネムシを取っている。その他にも野生の動物による食害や嵐にもネットは非常に役立っている。
【セラーと醸造について】
2009 年に新築した20㎡ほどのセラーだがどうにもスペースが足りないので2023年に拡張。スロベニアンオークの樽を使用し、トーストは“なでる程度”で品種やVTにより228L~700Lで使い分ける。クリスマス前までにマロラクティック醗酵が終えると、セラーの窓を開けて室内の温度を下げ、ステンレスタンクにワインを移す。この時に初めて亜硫酸を添加し、最終的なトータルの添加量は20-60mg/L。 3 つの独立した畑から3種のワインを生産し、それぞれの土壌とそれぞれの気候条件、品種を尊重し、適切に醸造手法を選択することを意識している。
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