ラルー Lalù
トリノ出身のラーラ(写真・左)とルイーザ(写真・右)は、食科学大学(スローフード大学とも呼ばれる)に通う同級生として出会いました。本大学では、食を基点に農業、農産物の流通と経済、栄養学まで多岐にわたって学べますが、ワインに特化した大学ではありません。しかし二人はブドウ栽培とワイン造りに興味が湧き、大学に通いながらワイン生産者を訪ねては回り、そのたびに彼らの苦労と情熱の物語に魅了され、いつしか自分たちもワイン造りを志します。 卒業後はそれぞれ、ニュージーランドやブルゴーニュで研修を行い、2015 年にラ・モッラではじめて畑を購入。2019年に二人の名前を組み合わせたワイナリー「Lalù」を設立しました。ワインを専門に学んでいないからこそ、どん欲にワインにまつわる知識を吸収し、栽培、醸造、運営、全ての面において二人で徹底的に話し合います。例えば樽業者を決める際には大手の樽業者だけでなく、小~中規模生産の樽業者についてもリサーチを行い、最終的にオーストリアのシュネッケンライトナー社の樽を使うことにしました。また、醸造面でもイタリアでは一般的ではない、破砕をしないマセレーションを行うなど、イタリア国外の手法もためらわずに取り入れています。 彼女たちがワイン造りの情熱を話すと、当初は多くの人が都会の娘っ子二人に何ができる、と言われたとか。ですが、設備が整うまでの鍬での畑仕事や、多くの手作業は彼女らにとっては喜びであり、また二人だから頑張ってこられた、と話します。そしてブドウは、何よりもまず自分たちが生きるこの大地の果実であり、ワインはブドウが栽培された畑を表現するものである、という信念のもと、それぞれの畑から個別に醸造しています。 ワイン生産者としてのルーツを持たず、街から農業へ参入した自分たちのことを、誇りをもってアウトサイダーと呼ぶ彼女達のまわりには、様々な背景をもってワイン造りに参入してきた、若い生産者たちとのつながりが自然と生まれています。
【畑・栽培について】
ラ・モッラとモンフォルテ・ダルバに、合計3.5ヘクタールの畑を所有。2015年にラ・モッラではじめてネッビオーロを植樹し、2019年に初収穫をしました。バルベーラはモンフォルテで栽培、ネッビオーロはモンフォルテとラ・モッラの両区画で栽培します。周知のとおり銘醸地とされるエリアで畑を購入するのは困難ですが、彼女たちもモンフォルテ・ダルバのエリアに自分たちの畑をこんなにも早く手に入れられたのはラッキーだった、と話します。自分たちのワイン造りの合間、とあるブドウ畑のオーナーから雇われて管理を任されていた畑での素晴らしい仕事ぶりに、そのオーナーが感じ入り、ここまで丁寧に熱意をもって畑を続けてくれるのならば、と1haほどの畑を譲ってくれたのでした。 RONCAGLIE(ラ・モッラ) 標高400mに位置し、東向き。土壌は灰白色で、シルト・粘土質と石灰質が多く、表土は浅い。元々は潮流のない静かな海底だったため、粘土や有機物が大量に蓄積され、化石も多数発見されます。 保水性は高くが保たれます。畑には、コングロメトラーティ・ディ・ラ・モッラと呼ばれる後期地質層の露頭もあり、河川由来であることがわかります。 BUSSIA BOVI(モンフォルテ・ダルバ) 標高320m、西から南西向きに位置し、ブッシア・アルヌルフォとブリッコ・サン・ピエトロの境界線にあります。高い丘に囲まれた谷に位置するため、夏には熱がこもりがち。土壌は白色で、主にシルト・粘土質と石灰質で構成され、表土の深さがあります。海洋性の地層で、砂の含有量が多いのも特徴の一つです。 【セラー・醸造について】 初収穫を迎えた2019年は、生産量5000本。将来的に約2万本の生産量を目指して、畑の購入と植樹をすすめています。「ワインはブドウが栽培された畑を表現するものである」という信念のもと、それぞれの畑から個別に醸造しています。 バローロエリア内でセラーを新設することは許可申請や資金面からして現実的ではなかったため、以前ワイン造りに用いられていたが現在は使われていないセラーを探す必要がありました。セッラルンガのエリアでようやく見つけ出すことが出来ましたが、将来的には彼女らが植えた畑があり、現在住んでもいるラ・モッラのエリアに醸造所を構える予定です。
醸造は主にセメントタンクと木製樽で行い、今のところ(2021年VTまでは)、除梗し破砕はせずに発酵を始めます。スターター(本収穫する1-2週間前に一部熟れたブドウを摘んで予備醗酵させた果汁を用意しておく)を用意し、スムーズに発酵が始められるようにします。マセレーション中は主に脚でのピジャージュを行い、マセレーションの期間はバローロで1か月、ネッビオーロ・ダルバや、バルベーラ・ダルバでは2-3週間ほどと、必ずしもピエモンテでは一般的(伝統的?)ではない手法も積極的に取り入れています。
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