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リシャール エ ローラン キエン Richard et Laurent Kien

【Richard et Laurent Kien / リシャール エ ローラン キエン】(フランス/ローヌ/アルディッシュ)

今どきの若者は…すごい!

ということで…

新しい友人たちを紹介します!

be a good friend として8番目に皆様に紹介するのは、フランス アルデッシュでワイン造りに取り組む、リシャール エ ローラン キエンです!

やたらと長い名前ですが、このドメーヌ名は、リシャール・ローラン・キエンという3人の若者の名前を並べたもので、現在は、このプロジェクトにもう1名が参画し、メンバー4人による「未来のためのプロジェクト」なのです。

リシャール エ ローラン キエン(以降 RLK)はワイン造りそのものが目的ではなく、これからの地球やその未来、自然環境などにどうポジティブな影響を与えていけるか?がテーマのプロジェクトです。

その目的のためのアプローチが自然派ワイン造りでした。

まっすぐな気持ちで、世の中を良くしようと取り組む若者たちの挑戦。こうして世代を超えて価値観を共有できるのが、喜びでしかありません!


◆エネルギーを多量に使って遠くへ運ぶことはしたくない…そんな想いで造られたワインが、日本に届く幸運



◇実らぬ出会い
RLKとの出会いは、同じアルデッシュの造り手であるレ ボワ ペルデュを訪問していた時のこと。

「ジュンは、新しい造り手を探しているの?」

と聞かれ、「そうだね。よい出会いがあれば。」

と答えたところ、その年にアルデッシュでワイン造りを新たに始めた2人の造り手の連絡先を教えてもらいました。

その内の1人とは、残念ながら都合が合わずに訪問は叶わなかったのですが、もう1人、わたしが連絡した翌日に訪問を歓迎してくれたのがRLKのジョアン キエンでした。

RLKのメンバーは4人ですが、ワイン造りを切り盛りするのが、このジョアンです。

素晴らしいワインの造り手の紹介だからといって、良いワインの造り手であるとは限らないのですが、どんな結果になろうとも、こうしたご縁は大切にしていきたいと思っていたので、突然の申し出にも関わらず訪問を受け入れてくれてとても嬉しかった思い出があります。

ただ、訪問に先立って伝えられたことがありました。

それは、「私たちのワインは輸出をしないんだ。」ということ。

環境への負荷を減らし、よりよい未来を作るプロジェクトであるため、エネルギーを多量に使って遠くへ運ぶことはしたくない…というのが理由でした。

「試飲をしてもらえるのは光栄だから、来てくれるのは大歓迎だけれど、ワインを売ることはできないんだ。もしそれでも良かったら。」

そんなメッセージへの私の返信は…

「それでも、ぜひ訪問させて。エネルギーを沢山使ってワインを運びたくないという気持ちはよく分かるし、共感できるよ。だからワインを売ってくれなくても大丈夫。ただ、どんな人が、どんな想いで、この土地で自然派ワイン造りに取り組んでいるのか、それを知りたいんだ。」

ということで訪問がかなったのが数年前の出来事でした。

良い出会いでしたが、仕事にはつながらない。それでも私は大満足でした。


◇RLKのワイン造り
かつては建築を学んでいたというジョアン キエン。そんな彼が、RLKでのワイン造りを担当するにあたり、研修に赴いたのが、この地域の頼れるメンターであるジェローム ジュレでした。

ジェローム ジュレといえば、言わずとしれたアルデッシュを代表する造り手で、緻密で細やかな仕事、膨大な畑仕事やセラーでの仕事を難なくこなす驚くべきモチベーションとパワーの鉄人のような存在です。

ジェローム ジュレでの研修を経て、サン=タンデオル=ド=ベルグ村に拠点を確保し、2021年に買いブドウによるワイン造りがスタートしました。

RLKは現在のところ買い入れたブドウのみでワイン造りを行っています。これは、大きな資本を持たない新興の造り手にとって、新たにワイン造りに挑戦するための王道であり、また多くの仲間や先達たちのおかげで、アルデッシュでは良いブドウを手に入れることができます。

地元の信頼できるブドウ栽培者や仲間の造り手たちから、様々な品種のブドウを分けてもらい、泡・白・赤と色々なタイプのワインを試行錯誤しながら造りはじめました。

もちろん、アルデッシュでの自然派ワインのスタンダードでもある酸化防止剤(亜硫酸塩)無添加であり、自然酵母による発酵です。

はじめての訪問時にテイスティングしたのは、初ヴィンテージとなる2021年。

多少の野暮ったさはありましたが、まっすぐ素直な味わいで、とても筋の良いワインだなというのが印象でした。

「カーヴ(醸造所)もジェロームのところのように整ってなくて…」

と謙遜するジョアン。

ジェローム ジュレは、個人的にも思い入れの深い造り手ですが、ジェロームのところでワイン造りを学んだ…と聞いて、同水準の仕事を期待するのは、そもそも酷であるとわかっていますし、整然とした醸造所をセルフビルドで建築してしまうジェロームと比較するのも無茶な話です。

そんなジョアンが手掛けるワインは、卓越した非凡なワインという印象ではありませんでしたが、地に足ついた心地よい気持ちにさせてくれるワインでした。

「仕事には関係ないし」とリラックスして試飲ができたこの日は、またいい造り手がアルデッシュに増えたなと1人のファンとして幸せな気持ちで帰路についたのでした。


◇思いがけず訪れた実りの時
そうこうしているうちに月日がたったある日、ジョアンから1通のメールを受信しました。

「輸出はしないと決めていたんだけれど、少し海外にも販売することにしたんだ。サロン(試飲会)でも沢山問い合わせをもらったんだけれど、購入できないと知っても尚、訪問してくれた君に、まずは声をかけなければと思ったんだ。」

こんな嬉しいメールはないな、と思わずにんまりしてしまいました。

と同時に、一緒に働くということは、一緒に未来を築いていくこと。一時的なものでなく、長く続く関係性でなければいけませんいけません。

であるならば、あらためて訪問し、長くお付き合いを続けていける造り手なのかを判断しなくてはいけません。

その旨をジョアンに伝え、すかさず2度目の訪問となりました。

前回以上にシリアスにワインを試飲し、RLKの未来を感じ取ります。ワインだけからでなく、ジョアンとの対話のなかからも、まだ見ぬ未来のワインを想像します。

そして、これは日本の皆さんにお届けすべきと確信し、リシャール エ ローラン キエンは、be a good friend の仲間に加わりました。


◇旅をへた予想外の味わい
ワイン選びにおいては、もともとローカルを優先させたいという彼らの意向を尊重し、数が少ないキュヴェではなく、ある程度ストックに余裕のあるものから選びます。

現地での試飲の段階では、派手さもなく、少し還元しているものもあったりと素直で素朴な印象のワインたちでした。ただ、ワインを飲み干した後に残る感覚にちゃんと光るものがありました。

この直感的に感じる心地よさこそが、私がワイン選びで大切にしているポイントであったりします。

この感覚こそがすなわち、その造り手の署名たる個性であり、この個性こそが、飲み手に喜びと幸せを与えてくれる源なんだと思っているのです。

そんなRLKのワインたちが、長旅と煩雑な輸入事務仕事を経て、ついに日本に到着しました。

期待を胸に早速試飲してみたところ…

自分自身の至らなさ、浅はかさを思い知らされました。

そう、私が想像していた以上に素晴らしいワインだったんです。

全体の雰囲気は、現地で試飲したときの印象と変わらないのはもちろんですが、その表現力というかきめ細やかさ、情報量の多さみたいなものが、イメージしていたもの以上だったのです。

すべてのキュヴェに共通する柔らかいタッチの果実味と飲み手を包み込むような優しい香り。それでいて、余韻には繊細でしなやかな表現力があります。

この繊細な表現力というのが、他の造り手のワインではそう簡単には感じられないのです。そして、これはジョアンの人柄がなせる表現なんだろうなと素直に思いました。

また、どのワインも3日たっても不安定にならないというのも驚きでした。親しみやすいようでいて、芯がしっかりとしていてシリアス。ふわふわしたところがなく、地に足ついた味わいです。

勢いとエネルギーでぐいぐい押し切る!みたいなワインが多い中で、こうしたワインを生み出せるセンスが素晴らしいなと思います。
(輸入元資料より)
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