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バランコ・オスクーロ Barranco Oscuro

- Spain Andalcia

世界遺産の半分があの小さな国土の中にあるといわれているイタリア。行ってみたい街や史跡も沢山ありますし、25年の間にもかなりの頻度で訪伊もしていますが、いざ(イタリアに)行ったとなると、長らく訪問できていない造り手が常に誰かしらいるため、とてもとても観光どころではない…。でももし少しだけ時間があったら、(イタリアに限らず)どこに行ってみたいかと聞かれて真っ先に出てくるのは、カナリア諸島(スペイン)はランサローテ島のブドウ畑や、カンパーニア州のアスプリーニオ ディ アヴェルサDOCのゾーンの伝統的整枝方法アルベラータ アヴェルサーナを採用した畑など、結局のところワインに関わる場所ばかり…(笑)。(←どちらも凄いので、ネットで検索してみてください!)ポンペイ遺跡に行けるのは、世界のえげつないブドウ畑を一通り見た後になりそうです…。

ともあれ、そのようなエクストリームな畑には、なぜその場所、そしてなぜその栽培方法、そしてそしてそもそもなぜブドウなのかなど、歴史に裏打ちされた様々な意味や意義、そしてそうである必然性などが詰まっているはずで、オータは現地に行ってみることで、実際にそれらを肌で感じてみたいのかと…。

去年9月の収穫時期にサルデーニャ島のパーネヴィーノを訪問した際、「今年は、カンノナウには一切なんも(農薬を)撒いていないんだよ。そもそも雨も全く降らないから、防除の必要性さえなくて…。」とジャンフランコ。彼の場合、農薬と言っても使用するのは粉末状の硫黄だけで、使ったところでせいぜい年2~3回程度なのですが、それさえも散布せずとも、そりゃもう美しいブドウが生っている様を目撃するのは、果樹の生育時期に雨に事欠かない日本に住むオータにとってはまさに衝撃なわけです。ヒトがさほど介入しなくても、健全なブドウができてしまう…これってエクストリームに凄いことだと思うのです。

スペインには、そのような不干渉主義的なアプローチによるブドウ栽培が可能な土地が各所にあるのだろうという予感はありました。そんな中、弊社にボーカの造り手コンティを紹介してくれた人が「ヒサト絶対この造り手好きでしょ?今、日本のインポーターいないんだって。」と紹介してくれたのが、今回のバランコ オスクーロでした。実は、このバランコ オスクーロとは10年位前にビアンカーラのアンジョリーノが主宰を務めるサロンでステーファノ レニャーニを介して知り合っていまして、標高の高いまさにエクストリームな環境で彼らがブドウ栽培をしている事などをステーファノが熱く語っていたことや、畑のある標高をワイン名にした1368(!)の味わいの素晴らしさがオータの中でも強く印象に残っていて、万が一スペインワインを取り扱うならバランコ オスクーロみたいなのが見つかるといいなぁなどと妄想していただけに、当の造り手からの打診にはビックリしました…。

バランコ オスクーロは、スペイン南部アンダルシア州のアルプハラ地方の町、カディアールにある、父マヌエル、息子ロレンツォとロレンツォの奥さんルイーザが営むワイナリー。12haのブドウ畑を所有、畑は標高1200m-1368mと非常に高い位置にあり、片岩質の痩せた土壌で、収量は標高の高いところで1haあたり10hl(!)、標高の低いところで40hl程度。畑から北に15kmほどの直線距離にシエラネバダ山脈の3000m級の山の頂上が、南に12kmほど行くと地中海、そして天気が良ければ約100km南にモロッコが見えるという…。冬には雪が降り、雪解け水が山にしっかりと涵養(保水)されるため、雨が滅多に降らない夏もブドウ樹が極端な水分ストレスに陥ることなく生育できる環境があります。ブドウの生育期間中に雨が降らないので、農薬散布も基本的には行いません。栽培する品種は、スペインのさまざまな土着品種にとどまらず、フランス系の品種なども植えており、基本単一品種で醸造、醸造のいかなる過程でも酸化防止剤を使用しない。

アルプハラ地方の信用の置ける農家から市場価格の倍の値で買い付けたブドウでネゴスものも造り(主に赤2種とロゼ、時々白も…)、ラ トラヴィエサという名前でリリースしています。

総生産量で4~5万本ほどあるそうなのですが、20種類近くのワインを造っているため、各ワインの生産量はごく僅か。そして、ワイナリー&畑が原産地呼称地域外にあるので、ヴィンテージも使用ブドウ品種も明記することができず、ラベル上では隠語的な表記にのみとなっていて、ワイン名もブドウ品種名を彷彿とさせる皮肉のこもったものに…。白のスティルワインに関しては、全て醸し醗酵を行なっているそうです。

空輸でサンプルワインを送ってもらったのですが、どれも素晴らしいいっ!!圧倒的な果実がありつつも、高い標高由来の酸の下支えがあって、高アルコール度数でも飲み心地は軽やか。軽さを実現するために完熟前に収穫するなどといった、本末転倒な造りとは明らかに一線を画すテンションの高いワインたちです。
(輸入元コメントより 2023.6)
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