フィンカ・パレーラ Finca Parera
スペイン人特有のやれやれ、のポーズだ。なんだこのやろう、とおもったのだけれどこの男、ルべン・パレーラとその一族の狂信的なまでに徹底した自然農法と生み出される滋味に満ちたワイン、これらを目の前にするとアーベーだとかデメテーだとか、たしかにやれやれだぜ、という気持ちになってくる。
18haのヴィンヤード、ぶどう樹のほかにオリーヴや果樹、野菜が所せましと植わる。オーガニックなそれらのプロダクトはぶどう作りにためにこそ欠かせないのだという。
自家製のコンポストやプレパラシオンはすべて農園の植物や地に落ちた果実から。サステナブルだ。ふかふかとやわらかい彼らの畑を歩いていると「ぶどうは痩せた土壌を好む」といった常識が揺らぎそうになる。もちろん表土をみただけで土壌を語ることは出来ない。
目には見えない地下層、目には見えない小さな生き物たち。土を手に取るとほんのりと湿っていて、なんだか懐かしい匂いがした。
チャレロやスモイ、ウィダリャブレと呼ばれるテンプラニーリョ、さらにゲヴェルツトラミネルやカベルネ、シャルドネなど様々な品種が植わる。
仕立ては独特だ。コルドンに木製の支柱を組合せ、真上に向かって垂直に仕立てる。北ローヌのコルドンに少し似ているけれど垂直な点が奇妙だ。
これなんていう仕立てなの、と質問したら「オレ仕立てだ」と言われた。今度はこっちが呆れる番で、つまりルべン・パレーラという男はなんというか、そんなかんじの人物なのであった。
クラー、フォスクと名付けられたスティルワインは所謂 “ヴァンナチュール風味” がしっかりありながらもユル過ぎず、果実の強さを感じる味わい。
フランスのナチュールとは明らかに様相がちがう。自然派は味わいが一辺倒だ、という指摘をする人がいて、そしてその指摘もある部分までは理解できるのだけれど、やっぱりそれは捉えやすい、判りやすい、“目に見える” ナチュラルワインの一面に過ぎないんじゃあないかとおもう。
もうすこしだけ耳をすませてみよう。1Lのグルグル瓶に詰められたフィンス・アルス・クイヨンスは薄味だけれど旨みたっぷりつゆだくしみじみ系 (こういう表現をするからまじめな人たちに敬遠されるんだ)で素直においしい。
あとから判ったけれど、パレーラ・ファミリーはカタルニァの生産者たちのあいだでは 自然農法のパイオニアとして結構なリスペクトをされていて、取引をしているというとそれはそれは。と驚かれることが多い。いい加減そうに見えるのに、ルべン、すごいヤツだったんだ。
(輸入元資料より)
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