ロスタル L'Ostal(シュドウエスト)
2haの畑を手間暇かけて一人で管理。
たっぷりの果実味と驚くべき冷涼感が生み出すエレガンス。
2015年7月、フランス南西地方コートデュデュラスから山道を抜け東南東へ80km車を走らせ、ロット川流域のカオール地方に入りました。その小高い丘の上にロスタルの造り手Louis Perotルイ・ペロの自宅兼醸造所があります。車から降りた瞬間、風が強いところだと感じたことを記憶しています。
家から出て来るやいなや、挨拶もそこそこに自分がヴィニュロンになったわけや自身の持つ畑の事を矢継ぎ早に説明してくれました。
彼は大学卒業後、パリのガリマール出版社というフランスを代表する文学の出版社で小説の編集者として働いていました。しかし2012年に他の出版社で働いていた妻のシャルロットと、自然により近い生活をしたいと一念発起しヴィニュロンになることを決意、ボーヌの醸造学校に通います。修了後、研修先に選んだのはカオールのナチュラルワインの造り手シモン・ビュッセのところでした。そこで彼の哲学と仕事をしっかりと学び、自分も果実味と冷涼感を両立させるエレガントスタイルのワイン造りへの意思を固めていきます。そして約一年の時が経ったある日、独立への想いを告げました。するとシモンはルイの門出に自分の畑の一部を彼に譲ってくれたのです。シュドウエスト出身の彼にとってこの地方で畑を手に入れることは願ってもないチャンスでした。また、この自然環境こそが、妻と共にこれからの人生を過ごすのに最適だと確信しました。
現在はデュラベル、バラン、プレイサックという3つのコミューンに合計2haの畑を所有し、その95%がマルベック、残りはメルローの畑です。また、2016年からはピュイ・レヴェクと呼ばれるコミューンにも畑を取得し、生産本数も増えていく予定です。
土壌はコミューンによって多少の違いはありますが、主に酸化鉄を含む赤土と粘土石灰が混じっており、そのコミューンごとに収穫・醸造をしていくのが彼のスタイルです。例えば粘土の多い場所で採れたマルベックは重くなりがちなのでマセラシオンカルボニックを行い軽くてフルーティなスタイルに、砂の多い場所で採れたものは除梗してから発酵させて凝縮感のあるスタイルにするといった工夫をしています。
マルベックはブドウの皮が厚く、タンニンを多く抽出し収斂性が強いワインになることが多い品種です。しかし、彼はそのスタイルではなく、果実味がありながらエレガントで冷涼感のあるワイン造りを目指しているため、通常行うルモンタージュは行わずピジャージュも果帽が乾かない程度に軽く足踏みするのみで、必要以上のエキスとタンニンの抽出は行いません。
発酵が終わると少し醸造所から離れた洞窟の中でゆっくりと熟成させ、ブドウ本来の旨みを伝えるために無濾過・無清澄・SO2無添加で瓶詰めします。
私たちにもその洞窟の中を案内してくれましたが、電気が通っていないのでなんとロウソクを持ちながらの移動でした。中は夏にもかかわらずひんやりとしており、温度が安定しているのでワインの熟成には最適な場所だと感じました。
こうして出来上がったワインはピュアでフレッシュな果実味に溢れ、冷涼感のある酸がワインの骨格を造りだす素晴らしい仕上がりです。ルイ曰く、昔からここに住む老人たちからも「本来のカオールの味だ!」と好評のようです。
まだまだ慣行農法の多いカオールの地で「自然と向き合い、カオールのテロワールの味がダイレクトに伝わるエレガントなワインを造る!」と熱く語るルイ・ペロ。
南西地方で造られるナチュラルワインの素晴らしさを是非感じ取っていただければと思います。
ロスタルとは…
南フランスのオック語(いわゆるラングドックLangue d'Oc)で家や家族のことを言います。
『ザンブル』
ヴァレリー・ラルボーという作家(1887~1957)のペンネーム
(TournierdeZamble)で非常に好きだったので、そこから取りました。
『イラリウス』
ラテン語で喜びという意味で、2015年に取得したパーセルの名前で
す。厳密にいうとこの14年ヴィンテージには、イラリウスのブドウは
まだ使われておらず、14年のイラリウスはバランという区画のブドウ
が使われています。
『アンスルム』
ボルドーでヴィニュロンであった彼の曽祖父の名前が付けられた
キュヴェです。明らかにその血が俺にも流れているとのことです。
『ル・トゥール』
こちらはパーセルの名前です
(輸入元資料より)
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