リースリング・カルクシュタイン[2020] カーステン・ザールヴェヒター
インゲルハイムにあるウィルバートという 区画のリースリング。
石灰岩の痩せた土壌で冷涼な区画。
カーステンの父親が酸味のあるワインを求めたため、 モーゼルのリースリングのクローンを植樹した。
樹齢27年。
全房プレス後、6~7年使用した古いバリックで
11ヶ月かけて非常にゆっくり発酵。
ボトリング後、3ヶ月熟成させる。
今後は日本のみにしか販売されなくなるワイン。
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その落ち着いた口調と貫禄からは彼がまだ28歳だとすぐに当てるのは難しいだろう。他者の色々な意見を聞き、自分のワイン造りに生かせることは取り入れようという柔軟な姿勢の奥に、常に辿り着きたい境地を意識しているような強靭な軸が感じられる。ましてや、ドイツの新星としてあらゆる雑誌に取り上げられていることを喜んでいるような余裕は一切見えない。
彼は、赤ワインの生産で有名なインゲルハイム・アム・ラインで1872年から続くワイナリーの6代目当主となり、インゲルハイム周辺に北、東、西向きの畑を所有している。昔はエクスレ度数重視のワイン造りが一般的だったため、南向きの斜面を所有していなかったザールヴェヒターは度々周囲から憐憫の眼差しを送られたという。暑さが嘆かれる昨今、その「向き」が翻ってカーステンの背中を押す風になっている。
最初カーステンはガイゼンハイム醸造学校で学ぶつもりで聴講したが、黒板に向かって理論を学ぶより現場で経験を積むべきだと考えを変え、入学はせず、ドイツではツィアアイゼン、シュナイトマン、ベネディクトバルデス、フリードリッヒ・ベッカー、ジャン・シュトッデン、シャ・ソヴァージュ、フランスでは、クロ・デ・ランブレイ、ジョン・シャルトロンなど多くのワイナリーで働く。当時18歳だった彼が醸造学校には行かないという大きな決断をすることができたのも、彼がどういうワイン造りをしていきたいかということに関して明確なビジョンを持っていたからだと言える。父親が営むワイナリーに帰り、自分のワインを造り始めるまで約10年の歳月を要した。それほどカーステンには色々と経験を積んだ上で、自分の力量を試してみたかったという想いがあった。そして最初の2017年ビンテージで一躍入手困難な生産者の一人として数えられるようになった。インゲルハイムに帰った彼は、土地に忠実なワインを造ることを決めた。インゲルハイム一帯には石灰岩土壌が広がり、まだ耕地整理されていない土地が多く残っている。そのためこの地一帯には未だに多くの古樹が植っている。彼に言わせれば、耕地整理されている土地でテロワールという言葉を使うことはできない。
「耕地整理された土地では古樹などがまるごと抜かれ、また異なる向きの区画なども全てひとまとめにされてしまう。場合によっては表土を足したりする。その表土に健康な微生物は宿っていない。そんな土壌でワインを造っても何も楽しくないだろう。まだ耕地整理されていない土地でワイン造りができるのは自分にとってとても重要だよ。」
土地の味わいを強く意識する彼は、シルヴァーナーを重視する。リースリングが広く植樹される以前、この地域では広くシルヴァーナーが栽培されており、今でも多くの古樹が植っている。フランス系の品種にフォーカスを当てる一方で、今後はシルヴァーナーにより焦点を当てたいと考えている。2017年には、ドイツ赤ワインの歴史上最も有名な畑の一つであるアスマンスハウゼンのヘレンベルグに区画を購入する。アスマンスハウゼンはスレート土壌、インゲルハイムは石灰岩土壌であり、この2つの全く異なるタイプの土壌でシュペートブルグンダーを醸造することがカーステンの夢だったという。
シュペートブルグンダーの醸造に関して、3日間の低温マセラシオンの後、インゲルハイムで収穫されたブドウの約20~25%を全房、アスマンスハウゼンのものはそれより少なく、開放型大樽で発酵させる。過度なタンニンの抽出を避けるため、ピジャージュは行わない。発酵後は異なる大きさの古樽で熟成。醸造過程でSO2は一切使用しない。
(輸入元資料より)
商品名 | Riesling Kalkstein / Carsten Saalw?chter |
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容量 | 750ml |
国/地域 | ドイツ/ラインヘッセン |
タイプ | 白 |
ブドウ品種 | リースリング |
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