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スロベニアと国境を接するイタリア最東端のフリウリ=ヴェネツィ
ア・ジュリア州にかけて広がる丘陵地帯、イタリア側ではコッリオ
(Collio)、スロベニア側はブルダ(Goriska brdaもしくはBrda)と呼
ばれています。この地域はアドリア海からの暖かい南風と北からの
肌寒いボーラと呼ばれる風の衝突する特殊な微気候がブドウ栽培に
最適と言われ、特に白ワインにとって、イタリアで最も有名なワイ
ン生産地域となっています。
コッリオからブルダに変わる数百メートル手前、すなわちイタリアとスロベニアの国境近くに位置する地域、ゼグラ。
ここでワインを造り続けている醸造一家がいます。ワイナリー名はエディ ケベル。彼らの祖先は約300年前、神聖ローマ帝国の首都であったウィーンから移住、今日でもゼグラに住んでいます。ゼグラの位置するコッリオとブルダはそもそもオーストリア・ハンガリー帝国の領地として単一の地域ではありましたが、時代によって帰属する国が変わる地域でもありました。ケベル一家が住み始めた当初、この地はオーストリア・ハンガリー帝国でしたが、第一次世界大戦後にはイタリアに併合されます。第二次世界大戦
後、イタリアとユーゴスラビアの国境が確立、1991年からはユーゴスラビアから独立宣言をしたスロベニアとしてイタリアとの間に国境が存在しますが、2007年からはシェンゲン協定にともない両国間の移動制限はほぼ無くなり、300年前同様にコッリオからブルダ、ブルダか
らコッリオへの往来は盛んになっています。
ケベル家はこの地域に定住して以来、常にワインを生産してきた歴史があり
ます。当時は果物を栽培してオーストリア・ハンガリー帝国で販売すること
が家計を支える柱でした。第二次世界大戦後、ワインの生産は果物の生産よ
りも重要になり始めます。さらにエディの祖父は1957年にワインの瓶詰めを
開始しました。1970年代にはマーケットの需要に合わせてソーヴィニオン、
ピノ グリージョ、ピノ ビアンコやシャルドネといった国際品種を栽培しま
す。そして1980年、20歳の若さでエディがワイナリーを引き継ぎますが、彼
は家族のルーツに戻り、伝統を重んじることを決意します。すなわち、フリ
ウラーノ、リボッラ、マルヴァジアという在来種のみを栽培し、この地域に
ちなんで名付けられた歴史的なワイン、コッリオを生産すること。
もちろん、一度にすべてのブドウの木を植え替えることはできません。エディの長い挑戦が始まりました。より正確に言えば28年間。
1996年から2008年までは2種類の白ワインと2種類の赤ワイン
を生産、そして2008年、ついにエディの夢が実現、初めて
コッリオ ビアンコ1種類のみを醸造しました。彼は常に伝統
と領土を信じてきました。
この信念は“コッリオ・プロジェクト”とも呼べるものです
が、トレンドとして在来品種をブレンドしたワインは消費者
にあまり関心を持たれないであろうという認識の中、より完
全なテロワールを感じられるワインを造るため、長い時間を
かけてワイナリーとしての信用を勝ち取ってきました。そしてついに、トレンドには逆らう
ことになってもオンリーワンとしてコッリオを生産することを選択しました。この選択が間
違いでなかったことは、その評価からも証明されていると言えるでしょう。
現在、ケベルのブドウ畑は12ヘクタール、オーガニック認定を受けており、ポンカまたはフ
リッシュと呼ばれる堆積岩層の土壌はミネラルが豊富でブレンドの主要品種であるフリウ
ラーノの栽培に特に適しています。リボッラ ジャラが酸味をもたらし、マルヴァジア イス
トリアナが芳香成分であるのに対し、フリウラーノはそのボディと構造を特徴づけます。
セラーでは古典的なセメントタンクで発酵および熟成
を行っています。これらのブドウのブレンドは、この
地域の「魂」を最もよく表現していると信じて疑いま
せん。そしてこのブドウ栽培、ワイン醸造の信念は息
子であるクリスティアンと娘であるヴェロニカにも引
き継がれています。
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商品名 | Vino Binco Collio 2020 / Edi Keber |
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容量 | 750ml |
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国/地域 | イタリア/フリウリ |
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タイプ | 白・辛口 |
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ブドウ品種 | フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、マルヴァジーア |
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